1895年にアメリカで発祥した手技療法である「カイロプラクティック」。骨格や神経系の矯正によるケアを行うもので、世界100ヶ国以上で実施されています。今回は、そんなカイロプラクティックを行う専門家である「カイロプラクター」についてご紹介していきます。
カイロプラクターについて
カイロプラクターとは、代替医療の一種であるカイロプラクティックを専門的に行う資格です。世界保健機関(WHO)のガイドライン上で提唱されている、カイロプラクティック教育基準を修了した者を指します。
カイロプラクターは、発祥の地であるアメリカを始めとして、約40ヶ国で国家資格として認められていますが、日本では民間資格となるため、現状では開業などに制限がなく、無資格の自称カイロプラクターが施術に携わっていることもありました。
この問題を解消するため、2014年より日本カイロプラクティック登録機構(JCR)による「登録カイロプラクター」制度がスタートしており、WHOの基準に則った教育を修了したカイロプラクターを認定し、厚生労働省へ届け出を行っています。
現在、カイロプラクティックの質向上と施術者の地位向上に向けて、資格の法制化を目指す動きが進んでいるようです。
カイロプラクターの仕事内容
カイロプラクターの仕事は、カイロプラクティックという手技療法を専門的に実施することです。日本では厚生労働省医政局によって「医業類似行為」に分類されており、整体などと同じく保健医療やサービス業といった分類になります。
カイロプラクティックは、ギリシャ語のChiro(手)とPrakticos(技術)を語源とする、自然治癒力を高めることを目的として行われる手技療法です。「骨格のゆがみ」の矯正を主として、栄養・睡眠などの生活指導や健康管理なども行います。米国カイロプラクティック協会 (ACA)は「筋骨格系と神経系疾患に特化」した治療法と定義しています。
日本でカイロプラクターになる際、特に必須となる資格などは存在しませんが、骨格などの矯正を行うことから専門知識や技術力が必要となるため、先ほどご紹介した「登録カイロプラクター」を目指すことになります。
登録カイロプラクターとは、WHOガイドラインに準拠した教育基準を満たしていることを証明する民間登録資格です。国際カイロプラクティック試験委員会の協力により毎年実施されている「カイロプラクター登録試験(JCR登録試験)」を合格すると認定されます。
カイロプラクターの需要
カイロプラクティック専門の施術院や複合サロンだけでなく、整骨院や整形外科などの医療現場やデイサービス・通所リハビリテーションなどの介護現場においてもニーズがあります。
また、民間資格であるぶん独立や開業なども比較的容易に目指すことができるため、技術をしっかりと向上させてから自分のサロンを持ったり、自宅をサロンとして開業し施術を行う方も多いようです。
そうなった場合は、経営側の人間として施術だけではなくより多くの集患ができるよう、治療院などに特化しているホームぺージ制作会社に自分のサロンのホームページを作ってもらい、サロンを大いにアピールする場として活用していくことが重要です。
他にも、休みの日を使って自分の今までの施術のノウハウを活かし、講演会などを開いて次世代のカイロプラクターの育成に携わることも可能になります。
認定カイロプラクター制度のスタートなど、今後さらなるステータス向上にも期待できるカイロプラクターは、さまざまなチャンスのある資格と言えるでしょう。